レンタルオフィスの選び方

自分で起業するための職場を確保するなり、外資系企業の日本支店としてオフィスを構えるなり、人によってレンタルオフィスを探す理由はさまざまです。レンタルオフィスのタイプも今は多種多様。1名から対応する小さなブースタイプ、壁で仕切られた(セミ)プライベート・オフィスタイプ、コワーキング・スペースなど、近年ではワーキング・スペースの多様化が進んでいます。

せっかくオフィスを借りるならば、後悔しない選択がしたいと思いますよね。ここではいくつかの事例を取り上げてご紹介します。皆様はどのような軸でオフィスを選びますか?

コワーキング・スペースタイプ

近年流行している上質なカフェのような空間。オープン席の場合も多く、日によって好きな席に腰かけてWi-Fiで仕事をするスタイルです。その場でワークショップやネットワーキング・イベントが行われる場合もあるでしょう。なにしろ快適な空間ですから、毎日職場に行くのが楽しみになりそうです。ノマドスタイルで働きたい方にはぴったりのワーキング・スペースです。喫茶店のように、雑音や狭いテーブル、他人の話声に煩わされたり、早く席を空けてほしいというプレッシャーから解放されます。おしゃれで快適なのに月会費が案外安く済む、ということも多々あります。

もしいくつか注意点を上げるならば、「登記などに対応しているか」「来客にはどのように対応するのか」「郵送物の受け取りはどうするのか」「イベントが行われているときにどこか静かな場所があるのか」などでしょうか。

他に職場を確保している場合はいいのですが、コワーキング・スペースしか確保していない場合、登記に対応していないコワーキング・スペースだと名刺に住所が書き込めません。当然郵便物は別の場所で受け取らなければなりません。会議室がない場合、来客とどこで話すのか困ったりもします(聞かれてもいい打ち合わせでない場合もあるでしょう)。どのように一日のルーチンをこなすのか、よく考えなくてはならない事態になってしまいます。また、非常に重要な締め切りを抱えているそばでネットワーキング・イベントが開催されていたら、集中力を欠いてしまう原因にもなりかねません。

さらに言えば、セキュリティの心配もあります。確かに外部のコーヒーショップよりはずっといいかもしれませんが、自分のパソコン画面がいつでも他人の視界に入ってしまうリスクもあります。あなたのお仕事は何かしらの機密情報を扱っていませんか?その職場で、クライアントから預かった情報の管理に責任を持てるかどうか、よく考えてから選ぶようにしましょう。

Coworking space type

ブースタイプ

少人数である程度のセキュリティが確保できる、デスクと椅子を確保したタイプのワーキング・スペースです。扉があるタイプとないタイプがありますが、扉付きで施錠できるタイプならば、セキュリティ面で安心できます。ブースタイプはバリエーションが豊富なので、見学の際には隅々まで確認したほうがいいでしょう。

ブースタイプのオフィスは「机の幅ぎりぎりまでしかない」という狭小サイズから、一人でも十分広々と複合機を置けそうなスペースを確保できるものまで、本当にさまざまです。基本的には登記に利用できるものが多いです(確認は必要です)。

ここで気を付けたいとしたら、「壁」「エアコン」「受付の有無」「会議室の有無」などでしょうか。ブースタイプの場合、天井や足元の壁が密閉されておらず、エアコンは他の部屋のものと共通、ということも多くあります。このため自分の電話の音も近くのオフィスユーザーの電話の音も聞こえてしまいます。エアコンの効き具合も、エアコンの設置位置によって違ってしまいます。狭い空間では逃げ場がないため、見学の際には一定時間座らせてもらうといいかもしれません。受付と会議室の有無は、非常に大きなポイントです。受付がなければ、お客様に直接インターホンで呼んでもらったり、それすらなければ玄関で電話を鳴らしてもらう、ということになります。郵便物も自分で受け取るため、外出しているときに書留や小包などを受け取れないということも。また、会議室がないオフィスの場合、来客に対応できません。さらに、狭小サイズを選択した場合、「この狭い空間でモチベーションを維持して仕事に集中できるか」ということも冷静に考える必要があります。

自分の城を構えたけれど、電話では機密レベルの高い話はできないし、お客様とお話しするには喫茶店に行くしかない。このような環境では、少々運用を考えておかないとさまざまな不便に突き当たりそうです。

ただ、総合受付と会議室があれば、状況はかなり改善します。よく確認しましょう。総合受付があれば、来客の一時対応、郵便物の受け取りなどをしてくれる場合があります。これだけでもかなりの負担減になります。同様に、会議室があれば、自室のオフィスは狭くても、お客様にご不便をかけることにはなりません。この点も必ず確認してください。

Booth type

(セミ)プライベート・オフィス

ここでは、壁によって密閉されているオフィスをプライベート・オフィスと呼び、壁が完全に密閉されていないオフィスをセミプライベート・オフィスと呼びます。どちらも、複数人で事業を行っている場合に考えらえる選択肢です。

セミプライベート・オフィスは先に述べたブースのような弱点があり、電話の声は外に聞こえてしまいます。ブースなどよりは広く作られているため解放感はありますが、その分社内で話をしている内容はすべて隣に丸聞こえになる可能性も考えましょう。このためやはり機密度の高い会話は差し控える必要があります。

プライベート・オフィスの場合、壁で密閉されているため、非常に高いセキュリティを確保できます。非常に機密度の高い電話や同僚との会話も、外部に気兼ねなくすることができます。パソコン画面を見る可能性があるのは自分と同じ会社の社員だけです。安心度は他のオフィスより格段と上がります。

複数人に対応するきちんとしたオフィスなので、ほとんどの場合登記に対応しています(確認が必要です)。 このような複数人向けのオフィスを選択する場合でも、いくつか検討課題として考えておいたほうがいいことがあります。

オフィスによっては、デザインが先行して壁がガラス張りの場合もあります。この場合、セキュリティレベルは大きく低下します。音声だけではなく、プレゼンテーションのスライドやホワイトボードに書いた言葉一つ一つが丸見えです。これはビジネスによっては大きな問題です。

また、先に述べてきたコワーキング・スペースやブースタイプと同様に、受付があるか、会議室があるかなどもきちんと確かめたほうがいいでしょう。総合受付を置いているオフィスならば、来客の一時対応や会議室への誘導などを行ってくれるでしょう。お客様に対する対応がスムーズなほうが、いい印象を持たれることは間違いありません。また、受付が郵便物や小包の受け取り代行をしてくれれば、自分の会社のリソースを営業にフォーカスすることも可能です。もし受付がバイリンガルスタッフであれば、外国籍のお客様への対応も可能です。受付がバイリンガルかどうかは、見学時に確認しましょう。

密閉されたタイプの会議室があれば、機密度の高い打ち合わせをすることができます。周囲に影響されない環境で、建設的な会話を重ねられれば、お客様との関係もより深まっていくでしょう。 中には、少人数だけれどもさまざまな場所に支部を持ちたい企業もあるかもしれません。その場合、電話会議やビデオ会議も対応できる設備があれば、安心ですね。

Private office

その他の注意点

さらにワーキング・スペースを選ぶ際に気を付けたいことといえば、例えば「駅から近いか」「どのような設備があるか」などがあげられます。

予算を抑えるために駅から遠いオフィスを選ぶと、通勤時の時間のロスのほかに、客先訪問の際の時間もロスしてしまいます。また、非常に大きな駅だとモチベーションは高まりますが、人が多すぎる駅だといたずらにエネルギーを使ってしまうこともあります。渋谷や新宿などのメガステーションを避ける、という選択もアリでしょう。

また、オフィスの共同設備は各施設でかなり違いがあるので、見学時には必ず見せてもらいましょう。開放的でおしゃれなコワーキング・スペースでもお手洗いが男女共同だと気にしてしまうこともあるでしょうし、フリードリンクが提供されている場合とされていない場合があります。ゆったりとしたビジネスラウンジを備えているオフィスならば、気分転換をしたり、他のオフィスユーザーと軽く会話をしたりできる場合もあるでしょう。24時間自由に入退室ができるかも重要なポイントです。また、コンビニや飲食店などが充実しているか、ビジターを受け入れる必要がある場合は近くにリーズナブルなホテルがあるか、なども押さえておきましょう。

さらに、「自分のビジネスがどれくらい成長する可能性があるのか」という視点も大事です。もし社員を今後増やしていく可能性があるのなら、少人数しか対応できないレンタルオフィスよりも、オフィスタイプを各種揃えたレンタルオフィスのほうがいいでしょう。

「何をしたら課金が発生するのか」を事前に確認しておくことも非常に重要です。例えば会議室を利用するといくらかかるのか、来客に飲み物を提供してもらうのに費用が発生するのか、冷暖房や電気代はどのように課金されるのか、時間外にオフィスを使った場合はどのように課金されるのか、などです。レンタルオフィスはさまざまな課金ポイントがあり、普通の事業者ビルで会社が用意してくれたオフィスを使っていた人ほど、思わぬ不便を感じることがあります。

自分でレンタルオフィスを選ぶ際にチェックするべきさまざまなポイントについて触れてきましたが、まずは「百聞は一見に如かず」。ここで触れたさまざまな事柄やご自身の懸念点をチェックシートにまとめて、ターゲットとするエリアのレンタルオフィスを回ってみましょう。どのレンタルオフィスも事前の見学を受け入れています。予約した時間を有効に使って、担当者にできるだけ多くの疑問点をぶつけてください。

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コンパスオフィスは、さまざまなオフィスタイプを揃え、総合受付、会議室を備えた総合型レンタルオフィスです。

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