日本の経済は新型コロナウイルス感染症のパンデミックによりさまざまな影響を受け、スタートアップの資金調達も例外ではありません。2020年、日本で資金提供を受けたスタートアップ企業数は減少傾向がみられ、2018年から引き続きの結果となっています。一方で、1 社あたりの調達額は上昇しており、必ずしも悲観的な状況ではありません。
この記事では、起業や新規事業開発を考えている方に有益な、スタートアップの資金調達方法の最新情報を紹介します。
スタートアップ資金調達方法 10 選
● 新創業融資制度
新規事業を始める人や創業して間もない事業主が無担保・無保証人で利用できる日本政策金融公庫の制度です。設備資金や運転資金として融資限度額3,000万円(うち運転資金1,500万円)まで審査の後に融資が受けられます。
● 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ型)
独立行政法人の中小企業基盤整備機構が、地域貢献性が高い新事業に取り組む中小企業者や創業者、NPO 法人などを助成する官民ファンドです。商品開発や研究、需要の開拓に関わる費用が助成の対象です。原則、助成金は返済の必要がありません。
● 地域創造的起業補助金
経済産業省中小企業庁より交付決定を受けた、ランドブレイン株式会社が実施する補助金です。補助対象と認められる経費の 1/2 以内が補助されます。
外部資金調達がない場合:50万円以上100万円以内
外部資金調達がある場合:50万円以上200万円以内
申請の際は、産業競争力強化法に基づいて認定された市区町村、または、認定連携創業支援事業者による認定特定創業支援事業の支援を受ける必要があります。
● 小規模事業者持続化補助金
商工会議所の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者や一定の要件を満たした NPO 法人などが対象となる日本商工会議所の補助金制度です。販路開拓の取り組みを目的とした費用が対象となります。
商工会議所の会員でなくても申請可能です。ただし、これから創業予定の場合、まだ開業していない人は対象外です。
● キャリアアップ助成金
厚生労働省が中小企業事業主に対し、「非正規労働者」の正社員化、人材育成、処遇改善などの取組のために助成する制度です。契約社員から正社員に転換すると助成金57万円が支給される「正社員化コース」や、「短時間労働者労働時間延長コース」などいくつかの種類があります。
● 信用保証協会
中小企業・小規模事業者の資金繰りの円滑化を目的としている公的機関。信用保証協会が創業したばかりのスタートアップ企業の公的な保証人となり、資金調達がしやすくなります。担保がなくても長期の借入や融資枠の拡大をサポートしてくれます。
● CAMPFIRE Angels
投資をしたいエンジェル投資家と資金調達をしたいスタートアップ企業を結びつける株式投資型クラウドファンディングのプラットフォームです。プロジェクトを掲載することで日本中のエンジェル投資家から創業の資金支援を受けられるチャンスがあります。
● READY FOR
サービス開始から 10 年の歴史を持ち、日本初・最大級のクラウドファンディングサービスで幅広いジャンルのプロジェクトが掲載されています。プロジェクトのサポートをしてくれる担当者がつき、高い達成率が特徴です。
● FUNDINNO
日本初の株式投資型クラウドファンディングのプラットフォームで、スピーディに投資家と事業者のマッチングができ、最短 3 ヶ月で 1 億円未満まで資金調達が可能となります。「株式投資型」と「新株予約権型」の募集ができます。
● Makuake
プロジェクトのリターンを「応援購入」という形でサポーターから資金を集められる応援購入サービス。サポーターの属性を把握できる「市場分析ツール」や実店舗での展示や販売スペースを提供しているのが特徴です。
中小企業への公的なサポートをはじめ、昨今では投資家と起業家が気軽にマッチングできるプラットフォームも増えており、資金調達の方法は多様化し身近になっていると言えます。また、グローバルな投資家の参入や、ポスト IPO スタートアップの資金調達は増加しているなど期待できる動向が見られます。