インフレ時代突入した今、中小企業が受ける影響とはどのようなものでしょうか?長く続いたデフレ社会で事業を行ってきた日本の中小企業が、物価上昇に対して行える対策を5つの事例で紹介します。
物価上昇・インフレの影響とは
日本はエネルギー高騰と原材料価格の上昇の影響を受け、2022年度は3%の上昇率、2023年度は1.6%の上昇率が日銀により発表されています。日本は長年のデフレから抜け出すため、2%物価上昇が必要とされてきました。
ただし、今のインフレはコロナ禍や戦争の影響によるものであり、給与が上昇しない限り人々の生活は圧迫され問題とも言われています。BBCによると、年々上昇してきた欧米や隣の韓国の年平均賃金に比べて、日本は30年以上ほとんど変わっていない状態です。
中小企業が受けるインフレの影響
・顧客への値上げが必要になる
コストが上昇する中、各方面で値上げに迫られていますが、日本ではまだ十分に価格転嫁が進んでいないと言われています。英国の中小企業は2022年後半の時点で34%が値上げに踏み切ったと回答しています。
・従業員の値上げ、インフレ手当の支給
帝国データバンクが1,248社に実施したアンケートによると、従業員の生活支援や、意識向上を促すために、6.6%の企業は雇用者に対してインフレ手当を支給して、26.4%の企業が手当支給を予定または検討中との考えを示しています。
・賃貸契約やリースの違約金や解約金の発生
営業利益の減少により、店舗の閉店やオフィスの縮小など変更に迫られた場合、イレギュラーな費用が発生します。企業の会計処理のうえでも影響が出る可能性があります(自社の固定資産に関する留意点)。
・物価高による倒産
2023年2月の動向調査によると、原材料費や燃料費の高騰により、全国の企業の倒産は10ヶ月連続で前年同月からの増加を記録しています。コロナ禍ですでに経営体力が消耗していた中、インフレの影響を受けて力尽きるケースが多いようです。
インフレによる影響は、今後も海外経済の影響、金利動向の影響を受けながら推移していくと考えられています。
中小企業のインフレ対応策5つの事例
インフレに取り組むために中小企業ができる5つの事例をご紹介します。
1. 固定費の見直し・コスト削減する
常時発生するコストを可能な限り削減することは必須です。まずできることとして挙げられるのが、オフィスの縮小を検討することです。コロナ禍を経て主流となったハイブリッドワーク(リモート+オフィス)を導入すると、よりリーズナブルなオフィスに変更することが可能です。
2. DXに取り組み業務改善を図るする
インフレによるコスト上昇を販売価格の値上げだけで対応するのではなく、効率化を高めることで高付加価値が実現することが考えられます。厳しい状況の時に設備投資をするのは抵抗があるかもしれませんが、人材獲得も激化する中、DXにより高効率化を目指すことは重要です。
3. 専門家のアドバイスを求める
アドバイザーの手を借りると、意思決定に必要な情報を提供してくれて、複雑な状況や経営課題への改善策を経営者と一緒に考えてくれます。会計士や税理士、中小企業診断士(経営コンサルタント)などに相談することで社外の視点からのアドバイスを得て問題解決への時間短縮が期待できます。
4. 国・県・市の制度や補助金を活用する
生産性の向上に取り組む中小企業が利用できる厚生労働省の無料相談や、設備投資や業務改善のために用意されている助成金があります。中小企業支援のために提供されている助成金・支援金は各地方でありますので活用してみるのも手です。
5. 潜在顧客に提案する
顧客へのアプローチとして日経ビジネスで「価値を感じてもらえるだけの便益と独自性を提供する」ことの重要さが紹介されています。これまでデフレの中、高額でも売れた商品はあることから、どのようなお客様に対して何を提供すべきか、改めて顧客理解に立ち返ると見えてくるものがあるかもしれません。顧客を理解・分析することで、既存の顧客以外の開拓できる顧客が見えてくる可能性があります。
フレキシブルなオフィスの活用でインフレ対策を
オフィス環境を柔軟に変化させていくことはビジネスの成長や拡大を促進させるために欠かせません。オフィス選びは生産性を上げ、コストパフォーマンスを高めるために重要です。
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まとめ
日本の物価上昇に応じて、企業は価格値上げ、労働者の賃上げに迫られています。コスト削減、生産性の向上のためにフレキシブルオフィスを検討するのも一つの対策になります。
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