めまぐるしく変化する昨今の職場環境に対応するために、オフィス空間プロバイダはさまざまな変化を取り入れてきました。フレキシブルワークスペースの導入はその一例で、多くの人にとって働き方の概念を塗り替え、また職場環境とスタッフのやる気のつながりについて考え直すきっかけにもなっています。この記事では、フレキシブルワークスペースを取り入れることで、いかにスタッフのモラールや積極性が高まるかについてお話していきます。
フレキシブルワークスペースについて理解を深める
フレキシブルワークスペースとは何でしょうか?フレキシブル・オフィスは従来のオフィスとは異なり、多目的な職場空間を提供し、企業や従業員の多様なニーズに対応することができます。フレキシブルオフィススペースは、新興企業や急成長中のビジネスやプロフェッショナルの目標や夢に応じるようにデザインされていて、ダイナミックな仕事空間を作り上げます。具体的には、フレキシブルに使える空間として通常、企業やスタッフのニーズに合わせてカスタマイズ可能なサービス付きオフィスを提供しています。
フレキシブル・オフィスを使うメリットは、利便性だけではありません。フレキシブルワークスペースを導入するとポジティブな仕事環境が作りやすくなり、その結果、社員のモラール向上にもつながります。
社員のモラールが大事な理由
社員のモラールとは職場全体の満足度、社員のモチベーション、職場で感じる幸せ(ウェルビーイング)を総合的に指し、生産的・健康的な職場には不可欠なものです。高いモラールがある職場は生産性が高く、離職率が低く、クリエイティビティやイノベーションが生まれやすい雰囲気があるという特徴があります。
たとえば給与レベル、雇用の安定性、職場の文化などを含む多数の要因が、職場のモラールに影響をもたらします。この記事では、スタッフのモラールを作り上げる要素、特にフレキシブルワークスペースにおけるビジネスアジリティの役割に焦点を当てていきます。
社員のモラールを作り上げる主要要素
ビジネスアジリティ
ビジネスアジリティとは、常に変化する市場状況、顧客の要望、社内のニーズに組織が適応し、迅速に対応する能力を指します。ワークスペース関連でアジリティといえば、めまぐるしく変わっていくビジネス環境のもと、イノベーションをしながら成長し続け、必要に応じて方向転換をする組織能力を意味します。
フレキシブル・オフィスは、ビジネスアジリティを高めるのに極めて重要な役割を果たします。というのもフレキシブル・オフィスを活用することで、その時々のタスクに応じて従業員が自由に仕事環境を選べるインフラが整備されるからです。このように柔軟な働き方を可能にすることで、従業員は創造的に問題解決に取り組めるようになります。それぞれのプロジェクトのニーズに見合ったオフィススペースを自ら選択するよう、スタッフを力づけることにもつながります。
たとえばアジア太平洋のフレキシブル・オフィス市場における大手企業であるコンパスオフィスは、ビジネスアジリティをうまく体現しています。コンパスオフィスが提供する仕事スペースはカスタマイズ可能なので、それぞれの企業の多様なニーズに対応できます。たとえばクライエントの事業形態に合うように移動可能なものを配置したりすることで、柔軟に空間を設定できます。企業のお好みに合わせて空間を作り上げることができるので、従業員が新たな機会や課題に迅速に対応できるようになり、革新と適応性を大事にする文化の養成にもつながります。
ワークライフ・バランス
健全なワークライフバランスは、従業員の満足度とモラールを高めるために重要です。フレキシブル・オフィスを利用することで、社員は自分のニーズに応じて、それぞれの予定や職場環境を調整することが可能になります。
その日の気分や作業内容によって、静かなプライベートオフィス、またはにぎやかなコーワーキング・エリアで仕事をするかを自由に選べる状況を想像してみてください。このような柔軟な働き方が可能な場合、社員は健全なワークライフバランスを保ちやすく、ストレス減にもなり、モラールの向上につながります。
従業員の自主性
従業員の自主性とは、従業員がどれほど自立して仕事に取り組み、自らの仕事をコントロールしているかを指します。職場で信頼されている、自分で意思決定ができると感じるスタッフは活躍する傾向があり、スタッフの自主性はモラールの原動力でもあります。
フレキシブルなワークスペースを活用すると、社員の自主性を本質的に促すことにつながります。フレキシブルオフィスが利用可能な職場環境では、従業員はいつどうやって働くか自ら決められるからです。このような自由度があると、スタッフの責任感は強まり、仕事への満足度やモラールは向上する傾向があります。
仕事における連携
現代の職場において、イノベーションや問題解決をするために共同作業は欠かせません。フレキシブル・オフィスは、チームミーティングやブレインストーミングセッションをしたり、即席で議論をしたりする場など、多様な空間がある間取りになっていて、社内の連携を促すようにデザインされています。
他の従業員と容易につながりを持てるので、連携して仕事をしやすいと感じられる職場では、積極的に仕事に取り組める上に、モチベーションも上がるでしょう。フレキシブル・オフィスを活用することでスタッフが協力して仕事を進めやすくなると、新たなアイデアも生まれやすくなります。またチームメンバーの間でシナジーが作り出され、最終的にモラールも高まりやすくなります。
心身の健康(ウェルネス)と快適さ
従業員の幸せ(ウェルビーイング)は、モラールと密接な関係があります。というのもフレキシブル・オフィスを導入すると、従業員の心身の健康と快適さを大事にでき、体と心の健康にとってより良い環境が作られるからです。たとえば自然光を取り入れたり、リラックスできる空間を作ったりすることも、フレキシブルオフィスでは可能です。
そのような仕事空間で働くスタッフは、以前よりストレスが減ったと感じ、仕事に対する満足度が高まり、職場への帰属意識も強まる傾向にあります。これらはすべて、モラールにポジティブに影響をもたらします。
ビジネスアジリティにより社員のモラールを高める
社員のモラールは色々なことに影響を受けますが、ビジネスアジリティはことさら重要です。アジリティやフレキシブルなワークスペース・ソリューションを大切にする企業は、企業を取り巻く環境がどんどん変化していっても、うまく対応できる場合が多いでしょう。そのような企業は素早く方向転換をし、新たな課題を乗り越え、従業員のエンパワーメントとイノベーションを大事にする企業文化を育む傾向があるからです。
市場の需要に応えるために常に戦略を進化させる会社として、コンパスオフィス社はビジネスアジリティの良い例と言えるでしょう。フレキシブルなオフィスデザインを伴う職場環境のおかげで、同社は高レベルな社員のモラールを維持しています。
フレキシブルオフィスに移行する際に生じる課題を乗り越える
フレキシブルオフィスのメリットは分かりやすいのですが、実際に導入してみると課題が発生する場合も考えられます。よくある懸念事項は、企業文化をいかに維持するか、データセキュリティをいかに確保するかということです。もちろん適切に計画をして、スタッフとうまくコミュニケーションをとり、テクノロジーを活用することで、これらの課題は克服可能です。
フレキシブルオフィスがモラールに与える影響を測る
フレキシブル・オフィスが社員のモラールにどう影響を与えているか評価するには、従業員アンケートを実施する、生産性についての指標を測定する、離職率を調べるなど様々な方法があります。なお長期にわたり好影響を引き出すためには、短期的・長期的影響の双方を調査することが重要です。
企業向けの実用的なインサイト
最後に、フレキシブルなオフィスソリューションを取り入れ、スタッフのモラール改善を図ることを検討している企業向けに、いくつか実用的なアドバイスがあります。具体的には、以下の実施をおすすめします。
組織のニーズを評価する: 企業特有のニーズを理解した上で、フレキシブルなオフィススペースをカスタマイズする。
効果的なコミュニケーション: メリットを強調し、懸念事項にも答えることで、フレキシブルオフィスへの移行について分かりやすく意思伝達する。
研修とサポート: フレキシブルオフィスに関連するツールやテクノロジーを社員が効率よく使いこなせるように、研修を実施する。
柔軟性を保ちつつも、ある程度のガイドラインを作る: 生産性を高め、社員の連携を促進するためには、柔軟性を保ちつつも、ある程度ガイドラインを設定することも重要です。
フィードバックと反復: 継続して社員からフィードバックをもらうようにして、職場環境と規則を逐次改善していくといいでしょう。
まとめ
急速に進化する現代のビジネス環境において、従業員のモラールを高める強力な起爆剤としてフレキシブルオフィスの活用は大きなメリットがあります。ビジネスアジリティ、ワークライフバランス、従業員の主体性、連携して仕事をする機会、ウェルネスや快適さを大切にすることで、組織は従業員の幸福度や生産性を高め、積極性を引き出すことができます。
フレキシブルなオフィス・ソリューションを活用して従業員のモラールを優先することで、企業は長期的に成長し続け、モチベーションが高いスタッフを確保できようになるでしょう。さらにその結果、企業はより機敏に動けるようになり、市場で高い競争力を保ち、従業員の仕事に対する満足度も高めることができ、Win-Winの状況が生み出されるでしょう。